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有形民俗文化財

ページID:0002555 更新日:2022年3月31日更新 印刷ページ表示

子之(ねの)神社の飾り屋台

子之神社飾り屋台

昭和54年4月1日湯河原町指定
所在地:湯河原町福浦129(子之神社)
保存者:子之神社

材質:木材(欅(けやき))
形状:置き屋台
寸法:高さ252cm、横410cm、幅356cm

製作者:小川義長(浅草彫工)
制作年代:不詳(江戸時代、天保年間かその前後)

 この屋台は、飾り屋台と呼ばれているように、町内を引き回すものではなく、祭礼のたびに組み立てて一定の場所に据え置き、中でお囃子を演ずるものです。
 この種の屋台は、町内には吉浜地区の素鵞(すが)神社に2基、鍛冶屋地区の五郎神社、門川地区の八幡神社、城堀地区の産土(うぶすな)神社そして福浦地区の子之神社に各1基ありますが、子之神社のものが最も美しく、当時のままによく保存されています。屋台は芸術上価値の高い彫刻や絵画により構成されており、こうした屋台を所有できた、江戸時代の湯河原の庶民の経済力並びに信仰習俗の一端をうかがい知ることができます。

素鵞(すが)神社飾り屋台

素鵞神社飾り屋台

平成27年1月1日湯河原町指定
所在地:湯河原町吉浜1047(素鵞(すが)神社)
保存者:素鵞神社

材質:木材(欅(けやき))
形状:置き屋台
寸法:

  • 1基目 高さ370cm、横330cm、幅270cm
  • 2基目 高さ350cm、横320cm、幅260cm

製作者:後藤三治郎橘恒敏(江戸彫工)、武志伊八朗信由(安房国彫工)

 天保年間かその前後の時代、湯河原町の神社や各地区の人々は、祭礼を盛り上げることを目的として、競い合うように豪華な飾り屋台を造営することに取り組み、江戸で人気の高い後藤流の彫工・後藤(ごとう)三(さん)治郎(じろう)橘(たちばな)恒(つね)俊(とし)と、安房(あわ)(千葉県)の名工であり、素鵞神社の社殿でも既に優れた仕事の実績を持っていた武(たけ)志伊(しい)八朗(はちろう)信(のぶ)由(よし)の、それぞれ二人の彫物が一つの屋台を飾っていることが、大きな特徴となっています。
 吉浜地区が石材等の輸送・交易によって潤っていた中で、当時の素鵞神社の関係者が江戸や安房の高名な彫工に仕事を依頼していた事実を明らかにする史料として位置づけることができます。