平松礼二 館

現代日本画壇の主軸として活躍する日本画家・平松礼二の作品を常設展示。3ヵ月後ごとにテーマを設け、企画展を開催しています。
平松礼二館15周年記念展

睡蓮交響曲-日本画家による100年後の返歌・返画-
令和3年3月5日(金)~6月28日(月)
後期 令和3年4月29日(木)~6月28日(月)

ジヴェルニー 池の竹林図(6曲1隻)

永遠の美の交叉 池を想う(6曲1隻)

ジヴェルニー 池の反映 秋(6曲1隻)
平松画伯がフランス・オランジュリー美術館でクロード・モネの「睡蓮」に出会い、印象派のジャポニスムを検証する試みを始めてから、30年近くの年月がたちました。取材を開始した1994年から現在に至るまで、ある時は実験的な試みにも挑戦しながら、日本画の様々な技法を駆使して数多くの作品が制作されてきました。この屏風作品は、日本画家の視点で描かれたジャポニスムシリーズの集大成として、「モネの睡蓮」をテーマに制作されたものです。
本展では、14点の屏風作品を前期、後期に分けて展示いたします。
令和2年度平松礼二館企画展
湯河原十景-もうひとつの風景
令和2年12月3日(木)~令和3年3月1日(月)

月下梅宴
今回は、「湯河原十景」のために描かれた作品20点の中から、季節や場所のバランスやテーマなどから「湯河原十景」に入らなかった作品を展示いたします。
平松画伯が残したいと願った自然あふれる湯河原の風景は、甲乙つけられるものではなく、個性的で秀逸な作品群です。ぜひこの機会に、画伯を魅了した四季折々の美しい風景をご覧ください。

画室の錦

大観山和気香風
画業をたどるシリーズ③ 「飛躍の時代~NEW YORKシリーズから 1989-1994」
令和2年10月1日(木)~11月30日(月)
第2次世界大戦の真っただ中で生まれた平松画伯は、アメリカ文化の洪水の中で青年期を過ごしました。戦後日本の美術がアメリカのポップアートなどの新しい動向の影響を強く受け、西洋美術一辺倒になっていく中で、憧れと反発という矛盾する感情を抱えながら、日本画家としての道を歩んできました。
40代の終わりころ、美術番組の取材で渡米し、ニューヨークのエンパイアステートビルを訪れたとき、見渡す限りのパノラマ風景を目にして「現代生活の極みの風景」に対する感動を描いてみたい欲求にかられたといいます。アメリカの象徴である摩天楼を真正面から描くことは、自身の葛藤に区切りをつけ、新たな一歩を踏み出すひとつの転機でもありました。
都会の機能美を実験的に描いた作品群には、アジアからアメリカ、ヨーロッパへと大きく羽ばたいていく画家の意気込みが感じられます。
このシリーズは、年1回のペースで平松画伯の画業をテーマごとに追っていく予定です。
日本の美-富士四季彩
令和2年7月2日(木)~9月28日(月)
富士山は、その存在感や優美な姿から、これまで多くの画家によって描かれてきました。それ故に作家のオリジナリティや技量が問われる難しいテーマであるといわれます。平松画伯も幾度となく対象に向き合い、時にはダイナミックに時には清閑な富士を描いてきました。
近年では、フランス印象派とジャポニスムの研究から日本美の真髄を様式美の中に見出し、独自の装飾的な表現で「かざり」をまとった華麗な富士を制作しています。
今回の展覧会では、日本の四季の風物とともに描かれた数々の富士を展示いたします。

日本の光

大観山金秋
ノルマンディスケッチ紀行
令和2年3月26日(木)~6月29日(月)
本展では、現地で描いたスケッチ作品を中心に展示し、現在に至るまでライフワークとして制作し続けている平松画伯の目を通して見たノルマンディの風景をご覧いただきます。

「農家の門」
作家略歴
1941年 | 東京で生まれる |
1946年 | 名古屋に転居 |
1958年 | 愛知県立旭丘高校入学 |
1960年 | 青龍社展に初入選、奨励賞受賞 |
1961年 | 愛知大学法経学部入学 |
1977年 | 創画展に初入選する(1988年まで出品) |
1984年 | 横の会結成に参加 |
1989年 | 山種美術館賞展で大賞を受賞 |
紺綬褒章受章 | |
1992年 | 鎌倉市へ転居 |
1994年 | 多摩美術大学教授就任(2005年退任) |
1999年 | 「印象派ジャポニスムへの旅 平松礼二展」(高島屋他11会場巡回) |
2000年 |
月刊誌「文藝春秋」の表紙絵の担当となる(2010年12月まで) |
MOA岡田茂吉賞で大賞を受賞 | |
2002年 |
湯河原ゆかりの美術館で「日本画・ 革新への潮流~平松礼二展」開催 |
2006年 | 了徳寺大学学長に就任(2007年退任) |
10月 町立湯河原美術館に「平松礼二館」開館 | |
2011年 | 「画業50年の軌跡 平松礼二展」(名古屋市美術館) |
2013年 | 「平松礼二・睡蓮の池・モネへのオマージュ展」 |
2015年 |
(仏・ジヴェルニー公立印象派美術館) 翌年、ドイツベルリン国立アジア美術館巡回 平松礼二・森口邦彦展(MOA美術館) |
2017年 町立湯河原美術館名誉館長就任
2018年 仏・ジヴェルニー印象派美術館で「平松礼二 イン ジヴェルニー」展開催
現在 無所属
(一社)日本美術家連盟理事
順天堂大学客員教授
愛知大学名誉博士
町立湯河原美術館名誉館長


モネの睡蓮について
パリの郊外にあるジベルニー村には、印象派を代表する画家、クロード・モネが晩年を過ごしたアトリエがあります。日本風の庭園の池には、モネが絵の題材にした睡蓮が咲き、世界中の美術ファンに知られています。
平松礼二画伯は、モネが愛したジャポニスムを検証するため、ジベルニー村を四季折々に訪ね、睡蓮を描き続けました。日本画家の眼を通して見た光景は「印象派・ジャポニスムへの旅」シリーズに結実しています。
のちに画伯は、モネ財団から友情の証として「モネの睡蓮の株」を譲られました。この貴重な睡蓮は、平成18年10月町立湯河原美術館に平松礼二館が開館したことを記念して当館に株分けされ、庭園の池で育成されています。
開花時期は年によって変わりますが、6月~8月頃になります。
※当館には、モネの作品はありません。


