新しい元号の『令和』を耳にした時の最初の印象は、普通に「へー、、、」。その後、幾度か聞くと、響きが綺麗だなと感じたのが印象です。皆さんは、どのように感じましたか。
令和に決まった経緯が、「万葉集」から出典されたとのことが、当日、翌日の報道などで広まって、世間が急に万葉集に興味を持ち始めたようですが、7世紀後半から8世紀後半にかけて編纂された、現存する我が国最古の歌集が万葉集です。
約4,500首の歌が収められているようですが、皆さんご存知の通り、その4,500首の中に、唯一温泉の様子を詠んだ歌が有ります。
「あしがりの とひのかふちに いづるゆの よにもたよらに ころがいはなくに」
これが、湯河原温泉を歌った一首です。その根拠は、歌人・佐佐木信綱博士が、考証したことに基づきます。
このような歴史が有って、昭和20年代に万葉公園が整備され、現在に繋がっておりますが、いよいよ、「平成から令和」へと時代が変わるこの時に、丁度、万葉公園の再整備をどのようなコンセプトと方法で進めて行くべきか、2年程前から官民連携により、調査を進めてきました。
その内容がようやく決まり、現時点においては、民間提案による再整備計画を公募しております。複数の提案の中から選ばれた整備計画が最終的に決定すると、その先も官民連携によって、実施事業として進めていくことが、スケジュールとお伝えして良いかと思います。
偶然な事とはいえ、いにしえの時代から、この地に温泉があって、温泉がこんこんと湧き出るその様を、思いをはせる彼女を思う男の恋心に例えて歌った方がいた事、これが湯河原温泉の原点であることを、あらためて嬉しく感じました。
4月12日執筆