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2021年03月31日(水曜日) ポートスティーブンス市レポート(Covid-19 ロックダウン)

ページID:0001973 更新日:2021年3月31日更新 印刷ページ表示

今も全世界に多大な影響を与えている新型コロナウイルス。感染を防ぐ為に規制が厳しくなったり、緩まったりと、毎日ニュースを見ていないとルールがどのように変わったのか分からないくらい、去年の今頃は数日おきに規制の変更が発表されていました。

ちょうど去年の今頃、3月下旬にここオーストラリア全土がロックダウンされました。ルールはとても厳しく、必要不可欠な外出以外は禁止されました。

  • 食料の買い出し
  • 通勤・通学 (在宅ワークが可能でない場合)
  • 通院
  • 運動、犬の散歩 

というような理由がない限りは、自宅待機をしなければならず、お店は、スーパー、薬局、酒屋しか営業していませんでした。

スーパーでも一度に入れる人数が制限され、店の外で列を作っていました。買い物中、列に並んでる際も他人とは1.5mの距離を置くことが要求されました。お年寄りや医療関係者だけが開店してから最初の一時間だけ買い物が優先的にできるようなシステムが大手のスーパーで行われていました。ここ、オーストラリアでもトイレットペーパーの売り切れが続き、購入できる量が制限されました。他にも、小麦粉、パスタ、米、カップヌードルなどの長持ちする食材も不足になり一人当たり2袋までなどの購入制限がありました。

レストランやカフェもお持ち帰り以外は営業を行うことができず、着席をしての飲食は禁止されてしまいました。もちろん、パブやクラブなどは一時的に閉店され、映画館、図書館、ジム、プールなどの娯楽、運動施設も閉鎖されました。公園での遊具にも立ち入り禁止テープが貼られ、使用が禁止されました。

医療関係、警察、政府関連、公共機関、食料関連など国民にとって必要不可欠な労働者以外は仕事へ行くこともできませんでした。生活に必要不可欠ではない活動やビジネス・娯楽の施設で働く人々は仕事を失い、政府の援助金を受ける申請をするのにオフィスの外に列をなし、オンラインで申請をしても受理されるまでに何週間も待たされたそうです。ここポートスティーブンス市でもたくさんの人々や企業が政府から援助金をもらう申請をし、積み立てた年金を引き出す人も多くいたそうです。このように多くの人々が経済的に困難な状態に陥っていたので、オーストラリア政府は新型コロナウイルスで経済的影響を受けて家賃が払えない場合、大家が立ち退き命令を出すことを6ヶ月間禁止しました。

学校も両親が医療関係などで働かなければならない子供以外は自宅に待機することを推奨されていたので、ZoomやMicrosoft Teamsを使ったオンラインで授業が行なわれました。

結婚式、葬式でも参加できる人数が制限されました。一番規制が厳しかった時は結婚式は5人以下、葬式は10人以下しか参加できませんでした。

屋外、屋内を含め家族以外の集会は二人(自分以外に一人まで)と制限され、個人宅での私的なパーティーは禁止されました。特に70歳以上の方は、自宅での自己隔離を強く要請され、家族との接触も最小限に抑えなければなりませんでした。これをきっかけに食料品、日常品をオンラインショッピングで購入される老人が増えました。

このような新型コロナウイルスに関する政府の規制に反した場合は、その場で警察から個人には1000ドル、企業には5000ドルの罰金が課せられるようになり、警察が理由もなく人々が外で過ごしていないか、集会を開いていないかとパトロールしていました。特に、ここポートスティーブンス市は観光業の町なので、仕事が一時的にできなくなり、暇になった住民がビーチでくつろぎに来ることがあり、警察も運動をしに来ている人以外は、直ちに退去しないと1000ドルの罰金になると忠告をしている姿がよく見られました。

日本とは違い、マスク着用に関してはそんなに厳しいルールではありませんでした。コロナのホットスポット(感染多発地域)と指定されない限り、日常でのマスクの着用は義務ではありませんでした。公共の交通機関、病院を利用する場合にマスクの着用が必要とされていたくらいでした。ここポートスティーブンス市では、ロックダウン中にスーパーに、行く際に、マスクを着用される方がいましたが、今は、ほとんどの住民が着用をしていません。

私の覚えてる限りでは、去年の4月の発表では、ポートスティーブンス市には、34人ほどがコロナに感染したという記録がありました。ほとんどは、海外からの旅行から帰ってきた人やクルーズ船に乗って来た人だったそうです。コロナの感染の疑いがある国民は、すぐに、コロナの検査を受けるように強く推奨され、空き地やビーチにコロナの検査が無料で、週末も関係なく、ドライブスルーで受けられる施設が緊急に作られました。

ロックダウンのおかげで、感染も拡大せず5月からは3週間ごとに規則が見直され少しずつ規制が緩和されていきました。まずは、カフェやレストランで10人までなら着席することが可能になり、普通の買い物、近郊への旅行が許可されました。ここで行われているイルカウォッチングクルーズや他のツアーも乗客を10人に制限して、再開することができました。5月下旬には公立学校の全員の通常登校が再開され、教師と対面して授業を受けることができるようになりました。しかし、保護者が生徒の送り迎えで学校の敷地内に入ることは許可されませんでした。そして、生徒が少しでも具合が悪い場合は、念のため学校を休むことが勧められ、咳などをしてる場合は、コロナの検査で陰性の結果をもらうまでは、登校させてもらえなかったそうです。学校でも、手洗い、消毒を頻繁にするように強く推奨され、日中も清掃員が常にタッチポイント(よく触られる場所)を消毒したり、教師も運動器具を生徒が使用する度に消毒をしていたそうです。
6月には、レストラン、カフェでの入店人数が、最大50人までと引き上げられ、必ず着席し、一人当たり4平方メートルの面積を確保するということが原則になりました。コロナ衛生監視員という専任のスタッフを置くことが義務付けられ、客が1.5mの社会的距離をとっているか、清掃、衛生状況の確認を常にしなければなりませんでした。このような規則を破った場合、11000ドルの罰金、もしくは6ヶ月の懲役が課せられてしまうので、従業員だけでなく客にも規則を守ってもらうようにコロナ衛生監視員が常に店内をパトロールしていました。
厳しい規制はありますが、お店にお客さんを入れることができるようになり、少しずつ活気も戻っています。まだ、州境は閉鎖されているのですが、州内からポートスティーブンス市へミニホリデーに来られる方々が増えました。海外や他の州への旅行に行けなくなったせいか、今まで以上に、ここの宿泊施設は予約でいっぱいになり、学校の冬休みにはたくさんの家族連れで町が賑わっていました。

ロックダウンの画像1
ロックダウンの画像2
ロックダウンの画像3
ロックダウンの画像4
ロックダウンの画像5

2021年03月31日 14時27分