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皆さんこんにちは。
今月もコロナウイルス対策のためほとんどの時間を家で過ごし、あっというまの1ヶ月でした。
4月27日、今日のニュースでは5月初旬には高校3年生、中学3年生から段階的に学校生活が始まる予定と報道され、それに対する賛否の意見が分かれています。
湯河原町の皆さんも色々と心配が多いことと思います。
なによりも世界に広がるコロナウイルスが1日も早く終息することを願ってやみません。
さて忠州市には言い伝わる伝説がいくつかありますが、今月はそのなかのカメの伝説を紹介いたします。
忠州市 中央塔村に以前に紹介した統一新羅時代に建立された中央塔が建っています。
カメの伝説があるハグアン里は、そこから西に1km離れた所にあります。
そのハグアン里を多くの人々はカメ岩ハグアン里と呼んでいたそうです。
そこにはオルコン山という山がありました。
朝鮮時代の中頃にオルコン山を中心に南側にピョンガン チェ氏が住むチェドンという村があり、その反対の北側にはアンソン アン氏が住むアンゴルという村がありました。
ところでアンゴル村は毎年豊作で、チェドン村は毎年災難が多くあり、
そこでチェドン村の村長は、山神を奉る祭壇を造り村のために祈りを捧げました。
ある日、精誠を尽くし祈りを捧げた日の夜のことでした。
白髪の老人が夢に現れ「山の上に登りカメの頭をチェドン村の方にまわしなさい。」
と告げ消えてゆきました。
村長は村の青年達を連れてオルゴル山に登ると山頂になんと不思議なことにカメの形をした岩があり、カメの頭がアンゴル村の方向に向いていました。
村長は青年達にカメ岩の頭をチェドン村の方にまわして置き直させました。
その後、チェドン村は豊作になりましたが、アンゴル村は反対に不作になってしまいました。
後にアンゴル村の人々はチェドン村の人々がカメ岩の頭の方向を自分達の村の方向に向けたこと事を知り、とうとう2つの村の喧嘩になってしまいました。
長い期間にわたった喧嘩に疲れたアンゴル村の人々は、カメの頭の方向を渓谷の方に向かせてしまいました。
その後からはチェドン村は毎年良くも悪くもない平均的な収穫になりましたが、アンゴル村は不作になったので、豊作を願い山に祭壇を造りそこに亀の像を奉り毎年祭事を捧げたというお話です。
現在あるカメの石像は1996年ピョンガン チェ氏一族が造ったものです。(亀岩伝説 韓国郷土文化電子大全)
韓国では昔からカメは豊かさと多産を象徴し、日本や中国、インドなど多くの国でも長寿や縁起が良くなる神聖な動物とされ、神話や伝説に登場しますが、私たちの住んでいる身近なところにもこんな伝説があり、豊作を願う昔の人々のひたむきな心情を感じました。
追伸 実はこの伝説のカメの石像を探しに3日間、ハグアン里の山々を歩きまわり、その間、子鹿1頭とリス5匹と出会い、村中の人に聞きながら遂に発見!したのでとても感激でカメがいとおしく見えました。
2020年4月27日
この山にカメの像がありました。
右側にはピョンガン チェ氏のお墓です。
小さい石像と思っていましたが、見つけたらとても大きくて驚きました。
2020年05月08日 16時37分