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皆さま、こんにちは。秋晴の候、いかがお過ごしでしょうか。イタリアは朝晩の肌寒さが秋の到来を感じさせる今日この頃です。そして以前にもご紹介しましたが、この時期はティヴォリ市名産のぶどう“ピッツテッロ”がたわわに実る時期でもあります。市民が楽しみにしている収穫祭は毎年大体9月の2週目の週末に行われます。今年で72回目の収穫祭は、9月13日に行われました。
新型コロナウイルスの影響で例年ならこの広場に式典用の舞台が設営され山盛りに積まれたピッツテッロ、それを使用したお菓子、地元の名産品等を売る露店が広場を囲み、人で溢れかえっている広場も今年は写真の通りロープで区切られて少し物々しい雰囲気。露店の出店もありません。
座る椅子に空きがあればどなたでも入れるのですが、ぶどうのつたが巻かれた入り口で検温され、手を消毒し、氏名と電話番号を記帳しなければなりません。これは万が一、中に入った方から後々感染者が出た場合早くに会場の中にいた人達の追跡ができるようにです。
入って正面にはピッツテッロの収穫祭の歴史や栽培方法、生産者の写真等のパネルが並び、そして丹精込めて栽培されたこの日の主役、ピッツテッロがバスケットに美しく飾られていました。
薄皮で水分が多く糖度の高いのが特徴のピッツテッロ。見るからに実がパンパンで思わずつまみ食いしたくなるくらい美味しそうです。
昔はピッツテッロ農家が多かったので味を競い合い、収穫祭では表彰式もあったそうですが昨今は栽培農家が6戸にまで減ってしまいました。
式典の最後には、広場に集まった大勢の市民が割れんばかりの拍手を贈り、生産者への感謝の意を表します。
その後無料で配られるピッツテッロを食べながら音楽に合わせ陽気に踊り豊作をお祝いするのが慣例になっています。
コロナ禍で例年通りとはいきませんでしたが伝統行事が今年も無事に出来たことが何よりです。お土産に頂いたティヴォリの自然の恵みと生産者たちの愛情をたっぷり受けたピッツテッロは思わず顔がほころぶほどおいしかったです。
2020年09月30日 09時23分