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皆さま、ボンジョルノ。ナターレ(クリスマス)シーズンになりましたね。ティヴォリ市は街がイルミネーションで彩られ、お店のショーウィンドウのクリスマスディスプレイと相まって、華やいだ雰囲気になってきました。
そこで今月は、イタリアでクリスマスによく食べられる代表的なドルチェデザートをご紹介します。
古くからティヴォリ地方のみに伝わるお菓子。
元々クリスマスのためのお菓子ではなく遡ることローマ帝国時代、太陽の力が一年で最も弱まる冬至の日に、翌日からまた太陽の力が強まる(この日を境に日が長くなる)ことを願うためのお菓子だったそうです。アーモンド、ヘーゼルナッツ、くるみ、レーズン、イチジク等のドライフルーツをはちみつと少量の小麦粉でまとめて固めたもので、写真の断面を見ると分かると思いますが中身がぎっしり詰まっています。カロリー爆弾とは分かってはいても、美味しすぎるのでついつい食べてしまう悪魔的ドルチェ。
イタリア全土で最もポピュラーなクリスマスのお菓子。
愛らしい星型でバニラが香る発酵菓子で、パンとスポンジケーキの間のような食感。写真のように横に切って少しずらし、カスタードクリームや生クリームを挟めば簡単に可愛いツリーケーキが出来ます。
パンドーロと同じくイタリアのクリスマスを代表する発酵菓子。ドーム型になっているのが特徴でブリオッシュ生地の中にレーズンとオレンジピールが入ったものが定番です。近年はチョコチップ、カスタード、チョコクリームが入ったものなどバラエティーに富んでいます。イタリアではパンドーロ派とパネットーネ派に分かれるそうです。ちなみに我が家はパンドーロ派です。
クリスマスの時期、イタリアのどの家庭にも常備してあるお菓子。日本ではヌガーとして知られているかもしれません。メレンゲ、蜂蜜、砂糖を煮詰めてナッツを混ぜ、板状に固めたお菓子で、ハードタイプとソフトタイプと2種類あります。中のナッツはアーモンドが定番ですがピスタチオやくるみが入ったものも人気。トロンチーノ(小さなトローネ)と呼ばれるチョコレートがコーティングされたものやヘーゼルナッツの入ったジャンデューヤのトローネもあります。
fichi secchi e datteri ドライイチジクとドライデーツ
あまり日本ではデーツ(ナツメヤシの実)は馴染みがないかもしれませんが実はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で栄養価も高いのにカロリー控えめな優等生フルーツ。ダイエット中にも罪悪感を感じず食べられるおやつです。高血圧やの予防やむくみを改善するカリウムも多く含んでいます。
国民の大半がカトリック教徒のイタリア。家族の絆を大切にするイタリア人にとって一年で最も重要なナターレは、普段離れていても家族と過ごす大切な日として捉えられています。しかし、今年は残念ながら新型コロナウイルスの第2波の影響で伝統的なナターレ、大晦日の過ごし方をするのが難しくなってしまいました。というのもつい先日、12月21日から1月6日までは州を跨いだ移動は禁止、さらに12月25、26日と元旦は住居のある自治体から出てはいけないという首相令が発令されてしまったからです。そしてさらに、同居している家族以外の人を招いてのパーティーは自粛するようにとも。感染状況を鑑みるとしょうがないのかもしれませんが、遠く離れた実家に帰省するのを楽しみにしていた人や、お孫さんに会うのを楽しみにしていた人達が大勢いらっしゃったのではないかと思うと、来年の今頃には収束していて欲しいと切に願うばかりです。
皆さま、楽しいクリスマスをお過ごし下さい。
Vi Auguro Un Buon Natale!!
2020年12月21日 17時21分