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2018年08月24日(金) ティヴォリ市レポート(Festa dell’Inchinata(フェスタ デッル インキナータ))

ページID:0006094 更新日:2018年8月24日更新 印刷ページ表示

聖母マリアの祭壇
聖母マリアの祭壇

聖サルヴァトーレの祭壇
聖サルヴァトーレの祭壇

サンタマリアマッジョーレ教会
サンタマリアマッジョーレ教会

二体の祭壇
二体の祭壇

 

 皆さま、こんにちは。
  今月はインキナータ(お辞儀)というお祭りをご紹介します。

  8 月15 日、日本は終戦記念日ですね。
  イタリアは聖母被昇天という祝日でパスクア(イースター)、ナターレ(クリスマス)に並ぶ3大祝日の一つです。

  日本のお盆と同様普段会えない家族も集まるのは同じですが、イタリア人は郊外に行ってピクニックをするのが恒例です。

  この日は聖母マリア様が天に召された日で、その際聖サルヴァトーレに導かれたといわれています。インキナータはこれに因んだ13 世紀から続くお祭りでマリア様の祭壇と聖サルヴァトーレの祭壇が向かい合ってお辞儀をするというもの。毎年8 月14、15 日にトレント広場で行われます。

  この祝日前後は大都市はゴーストタウンになるのですがティボリは逆で毎年この儀式を見ようと大勢の市民であふれかえり広場に入りきれない人は近くに設置された大画面スクリーンを見ながら参加します。この広場のサンタマリアマッジョーレ教会には通常マリア様の祭壇が置かれています。

  14 日の夜9時、聖ロレンツォ教会(ドゥオモ) からは聖サルヴァトーレの祭壇が神輿のように担がれ行列は出発。グレゴリアーノ橋で授福式。そして市民病院へ行き病気の方々への祈りを捧げた後マリア様の待つトレント広場へと向かいます。聖サルヴァトーレの祭壇が到着するとマリア様の祭壇も厳かに外に担ぎ出され向かい合った祭壇を3 回傾けお辞儀します。この夜、両祭壇はサンタマリアマッジョーレ教会に納められ、翌朝のミサの後、再度お辞儀の儀式をし、聖サルヴァトーレの祭壇は聖ロレンツォ教会へと帰ります。

  本来ならばお辞儀の後は盛大な打ち上げ花火が上がるのですが今年はなんと初めての雨(!!)に見舞われ花火は残念ながら中止となってしまいました。しかし、傘を差しながらもこの儀式を見ようと集まる大勢のティヴォリ市民。何百年も続くこのインキナータは市民に愛されてやまない伝統的な儀式なのです。

 2018年8月22日 執筆