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2019年01月30日(水) ティヴォリ市レポート(夜、魔女がぼろぼろの靴を履いてやって来る)

ページID:0006104 更新日:2019年1月30日更新 印刷ページ表示

新年を祝う花火大会
新年を祝う花火大会

 

いろいろな靴下
いろいろな靴下

 

靴下に詰めるためのお菓子
靴下に詰めるためのお菓子

光のショー
光のショー

 

 

魔女登場
魔女登場

 

降りてくる魔女
降りてくる魔女

 

無料配布されたおもちゃ
無料配布されたおもちゃ

 

La befana vien di notte con le scarpe tutte rotte
ラ ベファーナ ヴィエンディ ノッテ コン レ スカルぺ トゥッテ ロッテ
(夜、魔女がぼろぼろの靴を履いてやって来る)

皆さま、新年明けましておめでとうございます。
  今年もどうぞよろしくお願い致します。
  平成最後のお正月、皆さまはどうお過ごしになられましたか?

  イタリアでは1月6日にエピファニアという祭日(公現祭)がありこの日でナターレシーズンは終了し、ようやく普段の日常が戻ってきました。実はこのフィナーレには大事な役目を果たす人物がいます。それがタイトルのベファーナ(魔女)です。

  魔女と聞くと一見恐ろしいですが実は優しい魔女なんです。イタリアではこの魔女が1月5日の深夜から6日にかけて一年間良い子だったら甘いお菓子を悪い子だったら炭を持ってくるといわれています。 キリストの誕生の知らせを聞きお祝いを持って駆け付けようとした東方三博士が道に迷い老婆に案内を乞うも老婆は追い返してしまいます。後悔した老婆はその後赤ちゃんのいる家一軒一軒を回りこの中の一人がキリストでありますようにとお菓子を置いて行ったのが由来なのだそう。
 
  もちろん現在は靴下を用意するのはマンマ達!だから新年が明けるとマンマたちの口癖は「いい子じゃなかったらベファーナが来ないよ!」(笑) そして6日の朝、子供たちはワクワクして起き靴下があるか確かめます。半分ジョークのつもりで炭の形をまねた黒い砂糖菓子が入っていることも(笑)。親からだけではなく親戚、はたまたご近所からも貰ったりするので個人的には山のようなお菓子を食べた後の虫歯がとっても気になるのですが・・・おもちゃが入った靴下を貰うことも。昔はサンタクロースの存在はなくエピファニアの日まで待ってプレゼントを貰っていた慣習が残っているのでしょうか。

  さて、1月5日ここティヴォリ市にもベファーナがやって来ました!場所はロッカピアというお城の野外劇場。午後5時頃から寒さにも関わらず大勢の子供連れの家族で賑わいました。暗
 闇の中で城壁をスクリーンとしてカラフルな光のショーが始まりとても幻想的な演出に目を奪われていると突然塔の方にベファーナの姿が。そしてその瞬間塔からベファーナが箒にまたがり拍手と歓声の中降りてきました。この後舞台の上では興奮した子供たちがベファーナに質問したり一緒に写真撮影したりとても微笑ましい光景でした。帰り際には子供たちにお菓子やお
 もちゃのプレゼント。なんとこのおもちゃは全てリサイクル。ほぼ新品のまだまだ使えるおもちゃを市で集めたものだったんです。配り切れなかったおもちゃは翌日も広場に並べられ子供
たちは好きなものを持って帰ることができたんです。おもちゃが有効活用されつつ子供も笑顔になるとても素敵なイベントでした。

 2019年1月15日 執筆