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皆さま、こんにちは!日本は紅葉が美しい時期なのではないでしょうか。イタリアの木々はほとんどが黄色に変わるだけでもみじのように鮮やかな紅色に染まる品種もほぼないので紅葉を楽しむという習慣はありません。四季の移り変わりを愉しむというのは日本人特有なのかもしれませんね。
この時期イタリアは西洋の松茸とも呼ばれるポルチーニ茸、トリュフ、栗が旬なので各地でこれらのお祭りが開かれます。ですから食べることの好きなイタリア人の関心はもっぱらそちら。中でも栗には目がありません!!
というわけで今月は子供から大人まで人気の栗祭りの紹介です。場所はティヴォリ市から車で15分ほどのサンポーロ デイ カヴァリエ―リというお隣の山間の町。11月はイタリア各地で栗祭りが開催されますがあいにくティヴォリ市には栗林がないので市民は近場のこの町の栗祭りを毎年楽しみにしているんです。近郊からも大勢の方が来られます。当日楽しみに中心広場に行ってみると辺りは香ばしいいい匂いが漂っていました!広場の一角では炭火が焚かれ、その上に底に小さな穴があいた大きな鉄板が乗せられています。その上に栗をまんべんなく敷き詰めて10分くらい転がしながら焼いたらアツアツの焼き栗の出来上がりです。出来上がるのは早いですが焼き栗は栗一つ一つに切り込みを入れなければならないので下準備が大変なんです。お祭りのために用意された栗は400kgと伺ったので準備にかなりの時間を要したのではないでしょうか。
屋台の前には既にいい匂いに誘われた人の行列ができていました。焼き栗は1袋4ユーロ(620円)くらい。中には大粒の栗が10個以上も入っていました。ほくほくで程よい甘さが口の中に広がります!そして栗に欠かせないのが赤ワイン。イタリア人は栗を赤ワインと一緒に食べるのが一般的で屋台には赤ワインも売っています。なんでも香ばしくほろ甘い栗×赤ワインの相性が最高なんだそう。だからなのかもしれませんが日本のように栗の多彩な調理法はなくいたってシンプル。ケーキのモンブランはありますが焼き栗か皮ごと茹でて実を食べるのがごく一般的です。暖炉が備え付けてある家が多いイタリアでは各家庭でも暖炉で焼き栗をよく作ります。大抵のご家庭には焼き栗用フライパンがあり、家族で暖炉を囲みながら暖を取りつつ焼き栗に舌鼓をうつのがこの時期のイタリア流まったりした休日の過ごし方です。日本では自宅で焼き栗は難しいかもしれませんが機会があれば是非、栗とワインとの相性を試してみてくださいね。
では栗祭りの様子を写真でお楽しみください。
・焼き栗の屋台とアツアツの焼き栗
食券を買ってから出来立ての焼き栗をもらいます。サイズの大きな栗がゴロッゴロ入っています!!
・焼き栗をたべながら町を散策
地場産品の試食が出来ます。パン用のオリーブ、アーティーチョーク、ピスタチオなどのパテ。
中心広場へと続く坂道に露店の数々。
「秋の紅葉婦人」と名乗る人に遭遇。一緒に写真を撮り寄付を募っておられました。
・吹奏楽団のパレード
皆さん、赤ワインを飲んでほろ酔い気分なので音楽が鳴ればノリノリで踊ります。さすがラテン系民族!
・高台に建っている、かのガリレオガリレイをもてなした中世のオルシーニ・チェージ・ボルゲーゼ城
普段は一般公開されていないのですが栗祭りのために一日無料開放されていました。場内の広間には貴重なフレスコ画が残っています。
・家庭用焼き栗用フライパン
スーパーで3ユーロ(500円)くらいで売っています。