2021年11月08日(月)ポートスティーブンス市レポート（ワクチン接種率と自由）

ポートスティーブンス市がロックダウンされて早くも二ヶ月が経ちました。
政府がこのロックダウンを終わらせるには、州人口のワクチン接種率を上げることがキーだと発表し、ワクチンを2回受けることを強く推奨しました。

コロナの感染者が増えたとしても、ワクチン接種をした者は、病院やI C Uに行かなければならない可能性が87％ほど減少するとして、医療機関へのプレッシャーを抑えることができるという考えのようです。
ここオーストラリアでも、コロナ感染者の増加に伴い、病院の施設、医療スタッフが足りなくなることが大きな問題で、緊急ではない手術、治療は先延ばしにされているのが現状です。
ニューサウスウェールズ州政府は毎朝11時に前日の州内のコロナ感染人数, ICU患者の人数、死者数（性別・年齢・ワクチンを接種していたのか否か）を発表していました。そして、どの地域に何人新しい感染者が出たのかも発表していました。ロックダウンの間は、その発表を聞くのが州民の日課となっていました。

そして成人のワクチンを1回接種した率、2回接種した率も発表し、ワクチン2回接種率が70％、80％に達したらワクチン接種を2回完了した者に対し、規制緩和を行うことを約束すると発表していました。政府は、より多くの成人が早くワクチン接種をするようにと強く促していました。

しかし、ワクチンは、優先的にコロナ感染者の多かったシドニー都市部に回されてしまい、地方ではワクチン接種の予約が取りづらい状況になってしまいました。
アストロゼネカ製のワクチンは普及していたのですが、特にファイザー製のワクチンは不足していました。私はファイザー製の方が副作用が少ないのという噂を聞いたのと、コロナ感染からのカバー率も高いということでファイザー製のワクチンの予約をずっと探していました。しかし、オンラインで人気のコンサートのチケットでも取るかのように、一日に何回もログインして予約の空きを見つけない限、り二、三ヶ月先まで予約を取ることができない状態でした。

9月にはコロナ感染者がしばらく出てない地域は、ロックダウンが解除されました（地図を参照：白い地域のみロックダウン解除）。しかし、人口の少ない田舎の地域ばかりで、州人口の8割はロックダウンされている状態でした。そして、9月中旬にはワクチンを2回接種した成人のみ、野外での5人までの集会が可能になりました。

ワクチン2回接種率が70％に達した際には、ワクチン2回接種した成人は他の家庭に5人まで訪問可能、屋外では20人までの集会が可能、スーパー以外の店、パブ、レストラン、美容院、サロン、ジムなどの出入りが可能となりました。

ワクチンを受けていない成人はお持ち帰りでしかレストランを利用できません。なので、入店の際はワクチンを2回受けた証明、そしてQ Rコードで入・退店の時間を記録することが義務付けられました。屋内では常にマスク着用、屋外では店員のみがマスク着用を義務付けられ、店内では一人4平方メートル、屋外では2平方メートルのスペースを保つように客数を制限されました。
18歳以下の子供に関しては友人2人までがお互いに家庭を訪問できるようになりましたが、常に同一人物である必要がありました。そして、その友人同士は自宅から5km圏内に住んでいること、お互いの世帯に住む19歳以上の人が、2回ワクチン接種を完了していることが条件とされました。

ワクチン接種率が80％に達した際には、ワクチン2回接種完了者は、他の家庭に訪問を10人まで許されましたが、ワクチン接種未完了者は、屋外で2人までの集会しか許されませんでした。ワクチン2回接種完了者のみスタジアム、映画館などの利用が可能、車の相乗りが可能、旅行が可能と自由が増えていきました。しかし、ワクチン接種未完了者は、必要不可欠な買い物以外はオンラインしかできず、車の相乗りも家族のみ、パブやレストランも入店が出来ないなど肩身の狭い感じでした。

そしてワクチン接種率が90％超えた11月にワクチン未完了者も自由が与えられ、お店に自由に出入りができるようになりました。マスクも屋外では使用しなくていいことになり、室内は店員のみが着用することが義務付けられました。Q Rコードの登録の義務も感染によるリスクが高い施設以外では撤廃され、室内での人口密度も2平方メートルと緩和されました。

ロックダウンが9月に解除された地域の地図：ポートスティーブンは対象外だったので赤く塗りつぶされています。