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こんにちは!今月ご紹介するのはティヴォリのマイクロブルワリーのクラフトビールです。マイクロブルワリーとは地域密着型の小規模なビール醸造所のことです。 元々イタリアはワイン大国。レストランでも家庭でも食事に合わせて白か赤ワインを飲むのが主流でビールの出番はほとんどありませんでした。ビールはピッツェリアでピザを食べたり、夜、友達とパブに行っておしゃべりを楽しむ時、そのほかファストフード系のしょっぱいものと合わせて飲むものという位置づけで日本のようにとりあえずビール!!ではなくワインと比べ消費量もそう多くありませんでした。 近隣のイギリス、ベルギー、ドイツと比べてもビールの歴史は浅く有名な大手のイタリアンビールメーカーも2社ほど。そんなビール業界が変化を見せるのは1990年代から。競争率が激しくなかった事と各ブルワリーが副原料によって独自の味を出せることに面白みを感じられるのが要因なのか少しずつクラフトビールを製造するマイクロブルワリーが増えはじめました。 ティヴォリのマイクロブルワリーを立ち上げたのは地元愛の強い3人の若者達。自分達の造るビールを地域活性化に繋げたかったのだそう。その名もTibur Brewing Factory. 彼らのビールに対する愛情、努力、試行錯誤が実り、立ち上げて3年ほどながらビールフェスや見本市でも名が知られるようになり市内はもちろんローマでも急速にパブからの注文が増えているそうです。4大原料は世界の厳選された麦芽、ホップ、水はティヴォリ近郊が水源の上質の地下水を使用。そこに独自の味を出すための副原料(ハーブ、スパイス、フルーツ)に工夫を凝らし彼らのこだわりのビールが生まれます。製造現場も見学させていただきましたが気温によって温度管理を細かく調整したり一時も離れずビールを見守る姿はまさに職人でした。 造られているクラフトビールは7種類ほど。人気なのはダブルIpa、ソルティーラガー、柑橘系のフルーティーなホワイトビール。ほかにもグルテンフリービールや一風変わったワイン製造時に出るぶどうのしぼり汁を使ったイタリアならではのビール(Iga)があるそうですが渋みが加わるので好みが分かれるとか。ラベルも気を抜かずとてもスタイリッシュでお洒落!!
機会があればぜひお試しくださいね。
ブルワリーとは思えないほどシックな外観。手前の車はビールフェスなどで販売カーに変身します。
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糖化釜と濾過釜。
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苦みや香りの元となるホップ。投下のタイミングや量によっても味が左右されるので職人の技の見せ所。
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徹底した温度管理。その日の気温によっても味が変わるので職人の感で釜の温度を調節。
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発酵タンク 上面発酵や下面発酵によって発酵期間が異なります。側面には量や色が分かるように目盛りが付いています。
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瓶詰め 手塩に掛けたクラフトビール瓶詰めされラベルを張られ各地のパブやバールなどへ出荷されます。
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製造後の大量の麦芽のカス 酪農家の家畜の餌として再利用されます。
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