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開催予定
会場:展示室1・2(平松礼二館)
旅をすることで描き、描くことでまた旅をする、といっても過言ではないほど、画家・平松礼二にとって旅は重要な行為といえるでしょう。本展では、20代の頃に始まり現在まで平松がたどってきたこれまでの旅路を、アジア、アメリカ、ヨーロッパと大きく三つに分け、画家のわけいった土地とその体験を通して描かれた作品を紹介します。
平松礼二《メキシコ風景》1969年 寄託
会場:展示室3
湯河原で創作を続ける2人の作家を、2期にわけて紹介します。
Vol.1 宮川かず美 木彩画展 3月27日(木曜日)~5月13日(火曜日)
木が持つ色合いや木目を利用して図柄を表す木象嵌(もくぞうがん)という技法に魅了され、40歳を過ぎてから制作を始めた作家の、風景画や役者絵など、初期から近年作までを紹介。
Vol.2 山田ひろし写真展「心の旅路」5月15日(木曜日)~7月14日(月曜日)
情報網と行動力、そして独自の嗅覚で瞬間を切り取ってきた写真家の50年以上に及ぶ活動の集大成となる展覧会。
現代作家展フライヤー(表面・裏面) [PDFファイル/646KB]
会場:展示室4・5
晩年を湯河原で過ごした近代日本画の牽引者・竹内栖鳳(1864~1942)をはじめ、湯河原の芸者を描くために来訪していた美人画の名手・伊東深水など、この地にゆかりのある画家達の作品を展示。
伊東深水《夕涼み》1900年代 寄託
開催中
▶平松礼二館企画展「かざりの文化ー日本画の装飾美を探るー」
私たちが日常何気なく使っている和食器や着物の模様、身の回りの小物を飾るストラップなど、日本には「かざる」ことを楽しむ文化があります。暮らしの中に自然に溶け込んでいる「かざり」の文化は、日本美術の特質にもつながっています。
現代日本画家・平松礼二(1941~)は、フランス印象派の画家たちに影響を与えた日本美術を研究する中で、日本画の装飾美(=かざりの美)を再認識するに至ったといいます。以降、平松の画風には伝統的な紋様や金箔等を取り入れた装飾的な表現が多くみられるようになります。
本展では、平松絵画に見られる「かざり」をテーマに、日本画特有の表現や技法を紹介しながら、その魅力に迫ります。
平松礼二《花富士海図 》2008年
▶収蔵品小企画展「“しあわせ”さがし」
作家はそれぞれの作品に、あるいは制作活動全体を通して想いを込めて制作しています。鑑賞する側がその想いを受け取ることも、全く異なる感覚を得ることもあるでしょう。また、同じ一つの作品を観るにしても、鑑賞者の経験、心理状態などの内面的な原因や展示環境や同伴者の有無といった外面的原因が合わさり、都度受け取る感情が変わることもあります。そのいずれもが作品鑑賞の豊かさであり、その点で作品鑑賞には正解も不正解もなく、自由だと言えます。
同様に“しあわせ”の感覚も人によって異なるものです。“しあわせ”を感じるのはいつでしょう。家族や親しい人と過ごす時間、美しい景観との出会い、健康で穏やかな日常など、また、それは生きてゆく中で変化してゆくことがある、という点で作品を鑑賞する行為と共通しています。
絵画作品の中に“しあわせ”を探し、自身にとってのそれを考えてみませんか。
加藤晨明《ひととき》1976年