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心肺蘇生法

ページID:0001815 更新日:2024年4月1日更新 印刷ページ表示

心肺蘇生法の手順 ガイドライン2015準拠

1 安全を確認する

誰かが突然倒れたり、倒れるところを目撃した場合には、近寄る前に周囲の安全を確認しましょう。
状況にあわせて、自らの安全を確保してから近付きます。

2 反応(意識)の確認

成人の反応確認
傷病者の耳もとで『大丈夫ですか』と大声で呼びかけながら、肩をやさしくたたき反応があるかないかを確認します。

乳児の呼びかけ
乳児の場合
1歳未満の乳児は、声をかけながら足の裏を刺激することも有効です。

ポイント

目を開けるか、何らかの返答または目的のあるしぐさがなければ『反応なし』と判断します。

3 119番通報と協力者への依頼

依頼
反応がなければ周囲に大きな声で助けを求めます。
協力者には『あなたは119番通報をしてください』『あなたはAEDを持ってきてください』と具体的に依頼をします。

ポイント

協力者が誰もいない場合には、まず119番通報をしましょう。また、すぐ近くにAEDがあることがわかっている場合には、AEDを取りに行ってください。

4 呼吸の確認

呼吸の確認
10秒以内で傷病者の胸や腹部の上り下がりを見て、『普段どおりの呼吸』をしているか確認します。

ポイント

  1. 胸や腹部の動きがない場合
  2. 10秒間確認しても呼吸がよくわからない場合
  3. しゃくりあげるような不規則で途切れる呼吸

上記のような場合は、『普段どおりの呼吸なし』と判断します。

5 胸骨圧迫

胸骨圧迫は、血液を心臓から押し出し循環させることが目的です。

ポイント

胸骨圧迫は《強く・早く・絶え間なく》できるだけ中断しないことが大切です。
圧迫のテンポは1分間に100回~120回で30回圧迫します。

成人胸骨圧迫
成人の胸骨圧迫 16歳以上

小児胸骨圧迫
小児の胸骨圧迫 1歳~16歳未満

乳児胸骨圧迫
乳児の胸骨圧迫 1歳未満

  • 成人の胸骨圧迫
    胸の真ん中にある胸骨下半分を圧迫し、胸が約5cm沈むまでしっかり圧迫します。
  • 小児の胸骨圧迫
    体格に応じて両手もしくは片手で実施し、胸の厚さの約3分の1が沈むまでしっかりと圧迫します。
  • 乳児の胸骨圧迫
    乳首と乳首を結ぶ線の少し足側を目安とした胸骨の下半分を圧迫します。
    2本の指で圧迫し、胸の厚さの約3分の1が沈むまでしっかり圧迫します。

6 人工呼吸

人工呼吸
30回の胸骨圧迫が終わったら、直ちに気道を確保し人工呼吸を開始します。
片手で鼻をつまみ、もう一方の手の人差し指と中指をあご先にあてて、気道確保し空気を肺に通しやすくしたあとに2回息を吹き込みます。

ポイント

1回に約1秒かけて息を吹き込みます。
吹き込む量は、傷病者の胸が上がる程度です。
胸が上がらない場合でも吹き込みは2回までとしすぐに胸骨圧迫を開始してください。

乳児の人工呼吸
乳児の場合
乳児の口の大きさでは、口対口人工呼吸を実施することが難しいので、口と鼻を覆う『口対口鼻人工呼吸』を1回に約1秒かけて2回実施します。

ポイント

乳児の場合は呼吸が悪くなったことが原因の心停止が多いため、胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生が望ましいです。

傷病者に出血がある場合や、人工呼吸がためらわれる状況では胸骨圧迫のみを実施してください

7 AEDの使用

AED
小児用の画像1小児用の画像2

AEDの年齢別対象表
傷病者の区分 小学生以上 未就学児
電極パッドで使い分ける場合 成人用
パッド
小児用
パッド
電極モードで切り替える場合 成人用
モード
小児用
モード
  • AED本体に小児用の電極パッドが入っていない場合には、入っている電極パッドを使用します。
  • 小児用の電極パッドの中には、胸と背中に貼るタイプのものもあります。
    ※服は脱がせて貼り付けてください。​​​​​
  1. AEDの準備と装着
    AEDを傷病者の近くに置き、AEDの電源を入れます。
    電源を入れると、音声メッセージが流れるのでその指示に従います。
    電極パッドを傷病者の胸に貼り付けます。
  2. 心電図の解析
    電極パッドを貼りつけると『体に触れないでください』などのメッセージが流れ、自動的に心電図の解析が始まります。この解析によって電気ショックが必要なのかをAEDが調べます。
    この時『ショックが不要です』と音声メッセージが流れた場合には、直ちに胸骨圧迫を実施します。
  3. 電気ショック
    AEDがショックが必要と解析した場合には、『ショックが必要です』と音声メッセージが流れ、ショックに必要なエネルギーの充電が始まります。
    充電が完了すると『ショックボタンを押してください』と音声メッセージが流れ、ショック ボタンが点灯するので、誰も触れていないことを確認し、電気ショックを実施します。
  4. 心肺蘇生の再開
    電気ショックを行ったら、直ちに胸骨圧迫を再開します。

ポイント

  1. AED本体に成人用と小児用も2種類の電極パッドが入っている機種や成人用モードと小児用モードの切り替えがある機種があります。
  2. ショックボタンを押すときは、必ず自分も傷病者から離れ、誰も傷病者に触れていないことを確認します。

8 AEDの使用と心肺蘇生の継続

心肺蘇生継続
心肺蘇生を再開して2分ほど経つと、再びAEDが自動的に心電図の解析を行います。AEDから流れる音声メッセージに従ってください。
以降は、心肺蘇生とAEDの使用手順を2分間おきに繰り返し、救急隊が到着するまで行ってください。

感染症流行下での注意事項

  • 確認や観察の際に、傷病者の顔と救助者の顔があまり近づきすぎないようにする。
  • エアロゾルの飛散を防ぐため、胸骨圧迫を開始する前に、ハンカチやタオルなどがあれば傷病者の口と鼻にそれぞれかぶせる様にする。(マスクや衣服などでも代用できます)
  • 成人の心停止に対しては、人工呼吸を行わずに胸骨圧迫とAEDによる電気ショックを実施する。
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